『黒白帯の光』

七年ぶりの合気道の演武会。道場に立つ娘の姿が目に映った。
あの時、五歳だった彼女は落ち着かず、周りをキョロキョロと見回しながら、自信なさげに形をなぞっていた。

けれど今、目の前にいるのは堂々と小さな子を導く娘だ。
黒白帯を締めた背中は、まぶしいほどに大きく見え、思わず目頭が熱くなる。

演武会が終わり、先生が声をかけてきた。
「いちちゃん、立派になりましたね。たくさん練習しましたよ。あの時、お母さんからいちちゃんがやめたいと言ってると相談を受けたときは心配しましたが……やめなくて本当に良かった。」

そう、二年前。泣きながら「やめたい」と訴えてきた娘を前に、私はどうすべきか迷い、先生に助けを求めたのだった。

あの日から、娘は自らの意思で「黒帯まで頑張る」と決めた。
そして今、黒白帯を締めて立つその姿は、努力と継続の証だ。

けれど娘にとって、これはただの通過点。
その瞳は、すでにさらに先のゴールを見据えている。

私は娘に教えられた。
続けることの尊さ、そして自分を信じる強さを。